El Diario Del Bufón Del Rey Lear

元リアの道化による独り言とか。

願望

有名になりたかった。

 

演劇が好きで、小学生の時から劇団に入りたかったし、女優じゃなくて俳優になりたかった。これは多分、母親に強制的に髪の毛を切らされていて短くしてたからかな。本当は長くしたかったのに短髪で仕方なく「だって私は男だし!」って思っていたからかも。

話が逸れた。歌は好きだったけど音痴だと言われすぎて、しかも音が合っているか分からないので人前で歌うのが嫌だったから歌手は嫌だった。バレエだって習いたかったけど、当時の親友の影響だったし小5から受験勉強を始めさせられたので無理だった。

 

中学に入り、反対されていた演劇部に押し切るように入った。今でも女優として活躍する同期がいたので私は早々に「これはダメだ」と思った。今思うとやりたくもないピアノを続けるより、興味があったバレエとか他のダンスをやりたいと頼めば良かったんだ。

演じることも大好きだったけど演出にも興味が出てきて、私は演出家になりたいと思うようになった。同時に、好きだった英語と世界史を生かせる仕事ということで何となく外交官とか外務専門職に憧れるようになった。

ある日、若くして亡くなった伯父の遺影を見て「外交関係の仕事をしよう」と決めた。

 

大学は法律研究みたいな固いのは止めろとか、政治思想に直結する演劇は反対とか言われたのでマンドリンサークルに入った。これも間違いで、せっかく入ったスペイン語学科の勉強を疎かにしてサークルに全てを捧げた。結果ボロボロになった。大学時代にできた友達なんて2人しかいない。それも半年以上連絡取っていないし。

 

滑稽なのは今でも有名になりたいとどこかで思っていること。ずっと書いている小説でデビューできないかなとか。

 

人気商売、不安定な職業……それでも華やかに見えるたった一つの側面に憧れて、今日も地味なOLを続けている。