ナンパに遭った話
忘年会の帰り、もういい時間だったので某駅で乗り換えしようと急いでいたら突然肩を叩かれた。振り返ると湯浅弁護士を胡麻塩頭にしたような風貌の男性で「明日お茶に行かない?」と言われた。一瞬何を言われているのか分からなかった。
道化「……はい?」
男性「明日お茶飲まない? 明日」
道化「……?」
男性「明日ダメ? お茶飲もうよ」
道化「(なにこれ怖い……下手なこと言えないぞ)」
無視して逃げるのも怖かったので以前ちょっと精神に障害があると思われる人に話しかけられたことを思い出した。その時と同じ手、つまりスペイン語をしゃべって日本人じゃない振りをしようと決める。
道化「Lo siento. No puedo hablar japonés(ごめんなさい、日本語喋れません)」
男性「あれ、あ、日本人じゃない?」
道化「No, no soy japonesa(日本人じゃないです)」
男性「あー日本人じゃないのね、ハヴァナイストリップ」
そこで男性は去ったんだけど、よく考えると日本語通じてるんだよね。最初の返事も日本語だったし。この男性が外国語に堪能だったらどうしたんだろう私……。耳が聞こえない振りという手もあるかもしれないけど、それをいいことに何かされるのも怖いし。
何も無かったからいいけど……普段のほほんと生きているから、怖い。