El Diario Del Bufón Del Rey Lear

元リアの道化による独り言とか。

指輪

付き合ってた頃、どうしても欲しくて安物のステンレス製だけどペアリングを買った。結婚指輪じゃないし婚約指輪でもないからファッションリングとして右手の薬指に付けていた。当時彼氏だった良人はめったに付けてくれることはなかったけど、それでもいいと思っていた。だって単なるペアリングだから。

 

結婚が決まって結婚指輪を見に行った。お店ごとにいろいろあったけど、貯金がほとんどなかった私は良人に出してもらうのが申し訳なくて安い物から選んだ。それでもちゃんとダイヤモンドは入っているし、裏側に人工で着色したものだけどカラーダイヤを入れて貰ったし刻印だってしてもらった。世界でたった一つ、何の不足もないし毎日つけているから少し傷付いてしまったけどそれもまた2人で時を重ねてきた証拠と満足している。

 

けど。心残りがある。婚約指輪だ。私は婚約指輪が一体何の意味を持つのか分からなくていらないと言ったしどうせ毎日は付けられないから失くすのがオチだと思って断ったしそんな高い物はいらなかった。だけど、親友達が婚約指輪を貰っているのを見ると本当にこれで良かったのかなと思う。オーケストラで楽器をやっている姉夫婦は結婚指輪でさえいらないと言っていたのに。ここにきて周りが持っているからと言って貰うのってどうなのというツッコミがある。じゃあスイートテンで貰えばいいのかというとそれもまた違う。だいたい薬指以外に指輪をするのは邪魔で仕方がないし、指が太いのがコンプレックスで(142cmしか身長が無いのに11号の指輪だ、少し痩せて緩くなってきたけど)もう指輪はいらないと思っている。けど、やっぱり婚約指輪はねだっても良かったのかなと思うこともある。貰ったところで付けないのだけど。

 

一度だけ良人に「婚約指輪欲しいの?」と聞かれたことがある。入籍して同居を始めたばかりの頃で挙式はまだだったと思う。「いらないよ」って答えたしその時は本当に要らなかったけど、本当にいらなかったのかなと今悩んでいる。まあもう婚約期間じゃないし誰かの結婚式の予定もないから付けていくこともないんだけど。

 

普段は意識に上ってくることもないのでまったく気にしていないから困ることはないのだけど時々思い出してはもやもやする。