El Diario Del Bufón Del Rey Lear

元リアの道化による独り言とか。

小説のこと

人生で最初に書いた話を覚えている。うさぎのりえちゃんというのが主人公で、主人公の友達(名前は忘れた)が迷子だか誘拐だかで行方不明になる。りえちゃんと同じくらいその友達と仲が良かったりえちゃんの妹のえりちゃんが心労で熱を出して魘されてしまう。結末は覚えていない。因みに書いたのは幼稚園入る前だか年少の時。

第2作はこのりえちゃんが主人公の「トトロとうさぎのりえちゃん」という話。当時ドハマりしていた言わずと知れたジブリの「となりのトトロ」のトトロが出てくる。これを書いたのは確か幼稚園の年長の時。何故か「思う」という漢字を使いたくて、ひらがなとカタカナばかりの作品なのに「思う」だけは漢字で書いていたのも覚えている。どういう話かは忘れたけど、最後の一文はりえちゃんのお父さんの台詞「ちこくだー!」だった。後年母から「幼稚園児にしてはよく書けている」と言われた。

 

父に似て粗製乱造の私はその後も短編とか推理小説を手掛けたけどほとんどは完成していない。妹とリレー小説を書いたこともある。話を作るのは好きだったけど小説家で食べて行こうと思ったことはない。いや、漠然とはあるんだけど「兼業作家がいいな」と思っていた。自分の才能がそんなにある訳じゃないことも知ってるし、アイディアが無尽蔵じゃないことも知っているから。それでも最初の会社を辞めた時にカウンセリングにかかっていろいろとうじうじ悩んでいた時、カウンセラーに「書くことは惜しまない」と言われた。当時の転職ノートにもそう書いてある。

 

この歳になって、一次創作ができないことに気が付いた。とにかく難しいのだ。ファンタジー作家の場合は神がどのように世界を作ったか、SF作家の場合だと世界はどんなエネルギーでできているのかを考えるといいというのだけど、どうもうまくいかない。私の場合は二次創作向きの性格をしているのか、キャラクターや世界観を作るのは非常に苦手だけどアイディアは割と出てくる。そして長編小説が書けないので3,000字程度でも許される二次創作はまさにもってこいとも言える。ただし著作権のことを考えると二次創作はやらない方がいい、というよりやるべきではない。

 

最近あんなに好きだったコスプレとか手芸とかに興味が持てなくなってしまったのでもっぱら小説を書いたり読んだりなんだけど、それもねえ……。なんか、このままでいいのかなって思うことがある。