El Diario Del Bufón Del Rey Lear

元リアの道化による独り言とか。

プレゼントしたい本

今週のお題「プレゼントしたい本」

 

京都三条のホームズ」シリーズをお勧めしたい。元は携帯小説なので好き嫌いを選ぶとは思う。あ、ちゃんと縦書きだからご安心を。

 

物語はストーリーテラーの女子高生真城葵がとある理由から骨董品を売るために「蔵」というアンティークショップ(すまん、ど忘れした)に来るところから始まる。

ここで店番をしていたホームズこと家頭清貴に葵の出身地やお金が必要な事情を言い当てられ、驚いた葵に「蔵」でアルバイトしてお金を貯めるように持ちかける。

 

タイトルにホームズとあることから分かる通り、殺人はないけれどお仕事小説も兼ねた推理小説と言っていいだろう。この「蔵」がベイカー街221Bという訳だ。ちなみに葵はホームズ未読なので、正典(=シャーロック・ホームズ原作)未読の読者でも楽しめる。

 

推理小説が苦手、という方は青春小説と読んでもいいかもしれない。葵を気にかける“ホームズ”と、いけずな京男子(京男ではない)“ホームズ”に惹かれていく葵、それを取り巻く人々の人間関係が丁寧に描かれている。

私が一番心に残ったのは実の息子に嫉妬する“ホームズ”の父、店長こと家頭武史かもしれない。どうして嫉妬しているのかは読んでいただくとして、多かれ少なかれ一番近いはずの家族に嫉妬するというのは誰もが経験することだと思う。兄弟姉妹やいとこはよく見るけど、それが親子だなんて。まあ店長はきちんと向き合って乗り越えているんだけど。

 

他のキャラクターも魅力的なので、謎解きは“ホームズ”と葵に任せて頭を使わず読むのはもってこいだと思う。

 

とは言っても、携帯小説だからね。ラノベ嫌いな人は無理かな……。