El Diario Del Bufón Del Rey Lear

元リアの道化による独り言とか。

クリスマス近いから

聖ヨセフと聞いてどのくらいの人がピンとくるのか分からないけど、聖ヨセフについて思うところがあるので少し。

 

聖ヨセフはイエス・キリストの養父である。養父というのはイエスの母マリアは聖霊によって身籠ったとされるからで、イエスの実父ではないから養父だという。スペイン語でヨセフはホセというんだけど、愛称ペペというのは養父padre putativoの頭文字ppからきているらしい。

で、福音書によるとヨセフはマリアが身籠った時に当然自分の子供ではないので当時の立法に則ってマリアと密かに縁を切ろうとした。ウィキペディアによると本当は公表するのが決まりだったらしいけど、密かにというところがその性格を表しているんじゃないかなと勝手に思っている。で、天使が現れてマリアのお腹の子供は神の子と告げられたことからイエスとマリアを守ろうと決意した。

 

ここで「ヨセフは天使が現れるまでマリアのことを信じられなかった」という、人間の弱さを読み取ることもできるという話を礼拝で聞いたことがある。でも私はそう思わないけどね。もしヨセフが「ばれなきゃいーじゃん」というタイプでマリアとそのまま結婚するって決めたら……立法に反していることになるしね。この立法は一応神から与えられたものだし、その立法に反するような男の妻を聖母に選ぶか? という疑問。

まあつまり、マリアのことは好きだけど神から与えられた立法に反しているから泣く泣く別れようと決意したというのはその時代正しい選択だった、と思うんだよね。そして天使のお告げによりこの状況を受け入れることを決意した。

この後ヘロデ王による幼児虐殺命令の時、ヨセフはマリアとイエスを連れてエジプトに逃げている。神の子だからというのもあると思うけど、単純に夫として父親として、妻と息子を守りたかったんじゃないかなって勝手に思っている。

 

その後のヨセフについて聖書に記述はないんだけど、どうやらイエスが受難=十字架にかけられた時、一度イエスに会っているらしい。十字架にかかった聖金曜日の次の聖土曜日にイエスは死者の国に行ったとされているんだけど、この時すでに亡くなっていたヨセフと再会したと考えられているんだって。実父じゃないけど幼少期育ててもらった恩を忘れなかったんだねイエスも、とこのエピソードを聞いたときに思ったし、ヨセフは嬉しかったんじゃないかなとも思った。

 

私はキリスト教徒じゃないけど、幼少期から思春期の頃にキリスト教に触れているからかなりの影響を受けている。私も結婚して子供のことを考える歳になり、父親が誰だかわからない子供を良人に愛してもらうっていうのはなかなか難しいと肌で感じている。今より厳しい時代なら、尚更。